ブロイ家の馬車

published at 24/08/2017

式典用ベルリン馬車

この見事な馬車(フォンテーヌブロー宮殿からの寄託)は、ニコラ・オルロフ公(パリ駐在ロシア人外交官)の依頼で、ナポレオン3世がひいきにしたパリの4輪馬車製造業者エルレールが製作したものです。2003年にメゾン・エルメスの後援により修復が行われたこの馬車は、車両に8つのスプリングによるサスペンション、豪華な彫刻装飾が施された角灯、布団張りしたブルーサテンの内装などを備え、このタイプとして現在フランスに残る高級ベルリン馬車14台の1車に数えられます。今日、エルレール社が製造した馬車として知られているのは52台のみで、そのうち30台が海外のコレクションあるいは博物館の所蔵となっています。

「プティ・デュック」(小公爵馬車)

市内散策に使われた、屋根なしの、オープン型で車体の低いこの女性用馬車は、アンリ=アメデ・ド・ブロイ公妃の依頼で馬車製造業者ベルヴァレットが製作したものです。車体後部に使用人1人か2人用の座席を備えており、御者席はなく、所有者が中から直接操縦するようになっていました。

「ヴィザヴィ」(対面式馬車)

散策に使われた軽量のこの馬車は、2つの背部と籐製の座席2つからなる対面式の4人乗り馬車で、ドム兄弟(ブロワの馬車製造業者)が設計したものです。後部に籐の籠を備えており、ブロイ家の人々や招待客がピクニックや狩猟で田舎に出かける折に使用されました。

ランドー型馬車

ミュールバッハー(ナポレオン3世の宮廷で愛用された馬車製造業車)に注文されたこのランドー型馬車は、特にブロイ公妃が買い物やオペラ座公演での観劇などでパリに出かける時に使用したものです。2つの背部と2つの扉を備えた4人乗りで、それぞれの背部を覆い、扉の上側でつながる2つの革製の幌を開閉できるのが特徴でした。

乗合馬車

ミュールバッハーの製作によるこの乗合馬車は、驚くほど豪華なものです。馬4頭または3頭が並んで引くこの馬車は、駅(最寄りの駅はオンザン駅)と城の間の招待客と荷物の搬送に使われていた他、狩猟の集合場所に赴いたり、競馬レースを観戦する場合などにも用いられました。