厩舎

published at 24/08/2017

厩舎は、1877年に、ブロイ公夫妻の建築家ポール=エルネスト・サンソンによって建てられました。当時ヨーロッパで最も豪華で近代的なもので、馬具置場には、メゾン・エルメスが製作した馬具をはじめとする最高級の馬具コレクションが収められています。

19世紀後半、馬は重要な位置を占めていました。鉄道が徐々に中・長距離の旅行に使われるようになってはいましたが、引き馬は個人にとって最も普及した移動手段でした。また、馬車は昔から裕福な階級にとって欠かすことのできない富の象徴となってきました。馬は狩猟にも必要です。高貴な領主は、家紋の入った馬車を所有し、毛並みの美しい壮麗な馬たちを自慢するなど、社会的権威の象徴でもありました。
その意味で、ショーモン・シュール・ロワール城の厩舎は、19世紀末に裕福な貴族たちが造らせた厩舎の代表的なもので、貴族階級の豊かさをよく物語っています。
 
1877年、ヨーロッパで最も豪華で近代的な厩舎の建造が、著名建築家ポール=エルネスト・サンソンに委ねられました。
 
サンソンは、厩舎の建物全体にれんがと石材(れんがは19世紀末に豪華な厩舎の建造に良く使われていました)を使おうと決めましたが、城のファサードを飾る古い彫刻装飾のモチーフ(シャルル2世ド・ショーモンのダブルの「C」と炎の山の彫刻が交互に配されたフリーズ)も再利用することにしました。
 
ショーモンの厩舎は、互いに連絡する大きさの異なる2つの中庭を中心に構成されています。大きい方は城主とその家族、小さい方は招待客専用です。前者は、そこを行き来する馬や馬車、そこで働く使用人の数相応に、大変広いものです。厩舎は、昼夜を問わず休むことがありません。厩舎の主任である第一御者の指揮の下に、繋駕係、御者、従者、馬丁、副御者などの使用人が常にせわしなく働いていました。

厩舎のさまざまな建物の2階に、厩舎の使用人たちの住居となっていた屋根裏部屋(見学不可)があります。

ポール=エルネスト・サンソンは、これらの建物をさらに拡大することを検討しますが、実現には至りません。サンソンがここで得た貴重な経験は、数年後の1892年に彼が手がけたブルトゥイユ侯爵の模範的厩舎の土台となりました。